病院の中庭です。春には一面タンポポの花が咲きます。当医局が「お花畑」状態という意味ではありません。念のため。

2011年4月11日月曜日

医局スタッフOより~震災派遣

この度、東北関東大震災において被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
今回の地震で多くの方々からメンタルケアの重要性が叫ばれ、精神科医に大きな期待が寄せられています。精神科医にとっては病院という場から離れて地域の中での健康回復とは何かという問題が問われるとともに積極的な関わりが求められていると感じます。
「健康」の定義は、WHO憲章の改定案では
「完全な肉体的(physical)、精神的(mental)Spiritual及び社会的(social)福祉のDynamicな状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない。」
"Health is a dynamic state of complete physical, mental, spiritual and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity."
と定義されています。
WHOではスピリチュアルに関する議論がいまだに解決されないままになっていますが、現実の場面では今回の被災者の不条理な体験が示しているとおり、健康への回復を望むとしたら、スピリチュアルな問題を無視する訳には行きません。
精神科医は、被災者に対して精神的問題だけに対処するのではなく、スピリチュアルな問題も地域の中でより一層取り扱わないとならない現状にあります。そして、自ら赴き1人でも多くの被災者の存在を認める出会いが求められているように思います。
当院からも東北に心のケアチームまた医療救護班が交替で派遣されています。それぞれ1週間程度の活動でありますが、スピリチュアルという点で何をすべきか考えながら、医療とともに被災者の孤立感をいくらかでも緩和する活動が望まれているように思っています。

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