病院の中庭です。春には一面タンポポの花が咲きます。当医局が「お花畑」状態という意味ではありません。念のため。

2011年6月25日土曜日

ウィリス先生の聴診器(2)とカナダ訪問記

ブログ管理担当者のまさぞうです。

先日(6月10~11日)、カナダのウィリス先生のお宅に行ってきました。
大先生は私の訪問の2日前にまた脳梗塞の発作を起こされ、
右片麻痺とともに見当識や言語能力に障害が生じていました。
(慢性腎不全もあります。)

現在PCファイル化作業中のウィリス先生の検査本
「Clinical Laboratory Methods for the Office or Outstation」
の原稿を持っていきましたが、
残念ながら病状のため
大先生自らに添削していただくことはかないませんでした。
ただ御子息の総合内科医Dr. G. C. Willis IIIが
シンガポールから帰郷しておられたので、
代わって原稿をみていただきました。

この検査本は原稿の最終チェックとともに
目次・索引をつけ、近日中に協力者の皆さんに配布できる予定です。
御家族の話では、おそらく残された時間は数ヶ月以内だろうとのことです。

あの偉大な臨床家がもうかつての輝きを取り戻すことがないというのは
とても悲しいことですが、
大先生の残されたものをできるだけ正しく後世に伝えていくのが
これからの私たちのつとめなのでしょう。

最近Dr.ウィリスの聴診器のページへのアクセスが増えているようなので、
大先生の聴診器(現物)の写真をのせておきます。

ただ問題は聴診器から先(頭脳)のようです・・・。

2011年6月4日土曜日

ウィリス先生の視野検査装置

ブログ管理者のまさぞうです。

今回の「Dr.ウィリスベッドサイド診断」マニアック情報は、
ウィリス先生の視野検査法です。


これ何かわかりますか?

これはサイズの違うプラスチックの色つきボタンを
釣り糸でつなぎ合わせたものです。

これにまつわる話は、1980年代の舞鶴市民病院へさかのぼります。
実は当時、ウィリス先生と熱血研修医(?)I先生を題材にした
「よい医者作ります」というドキュメンタリー番組が作られました。
その中でいろいろ興味深いエピソードとともに、
ウィリス先生がこの色つきボタンを示して
(大先生のオリジナルは色数3種類です。
「ベッドサイド診断」の口絵と下のカラー写真参照)
「これで肺癌の転移が診断できる」
と解説するシーンがあったのです。

ウィリスファンのまさぞうとしては見逃せない場面であり、
その後機会をとらえて根掘り葉掘り御本人に質問しましたが、
「(ベッドサイド診断の)視野検査の項に書いてあるよ」
と軽く流されて今日に至っています。

ヤブ精神科医の知識と経験では断言はできないものの、
「ベッドサイド診断」18章「神経学的視力障害」の後半、
144~145ページの(5)同名四分半盲~同名半盲の項に
「急性発症の病変の多くは梗塞性であり、
緩徐発症の病変の多くは脳腫瘍である。」
とあるのがこれでしょうか。
その後には色覚異常の話も出ていますし。
(どなたか詳しい先生がおられたら御教示下さい。)

視野検査といえば大がかりな装置と
精密な視野検査表が必要かと思われるのですが、
大先生の方法は驚くほどシンプルです。
オリジナルのボタンセットは白・赤・緑の3色で、
大小2枚ずつ合計6枚です。
(大きさの違う目標を使う診察法は
「ベッドサイド診断」p293「にせの視覚障害」にありますね。)

オリジナルの写真出てきたのでのせます。

私自身は赤・緑ときたので
「これは色盲の検査にも使うんだな」
と思い、さらに黄色や黒も追加して
深度覚測定装置と同じく豪華版にしましたが(笑)、
悲しいことに精神科の臨床では
数年間まったく使う機会がありません(泣)。

こうしてヤブはヤブのまま白髪だけが増えていくのでしょうか・・・。

2011年6月3日金曜日

ぬかびら温泉郷

 当地音更から車で1時間ほどのところにぬかびら温泉郷があります。加水しているところはありますが、循環しているところはなく、温泉郷全体で源泉かけながし宣言を行っています。
 洞窟風呂や川を望める露天風呂などもありますので一度行かれてみてはいかがでしょうか。 K