病院の中庭です。春には一面タンポポの花が咲きます。当医局が「お花畑」状態という意味ではありません。念のため。

2011年6月4日土曜日

ウィリス先生の視野検査装置

ブログ管理者のまさぞうです。

今回の「Dr.ウィリスベッドサイド診断」マニアック情報は、
ウィリス先生の視野検査法です。


これ何かわかりますか?

これはサイズの違うプラスチックの色つきボタンを
釣り糸でつなぎ合わせたものです。

これにまつわる話は、1980年代の舞鶴市民病院へさかのぼります。
実は当時、ウィリス先生と熱血研修医(?)I先生を題材にした
「よい医者作ります」というドキュメンタリー番組が作られました。
その中でいろいろ興味深いエピソードとともに、
ウィリス先生がこの色つきボタンを示して
(大先生のオリジナルは色数3種類です。
「ベッドサイド診断」の口絵と下のカラー写真参照)
「これで肺癌の転移が診断できる」
と解説するシーンがあったのです。

ウィリスファンのまさぞうとしては見逃せない場面であり、
その後機会をとらえて根掘り葉掘り御本人に質問しましたが、
「(ベッドサイド診断の)視野検査の項に書いてあるよ」
と軽く流されて今日に至っています。

ヤブ精神科医の知識と経験では断言はできないものの、
「ベッドサイド診断」18章「神経学的視力障害」の後半、
144~145ページの(5)同名四分半盲~同名半盲の項に
「急性発症の病変の多くは梗塞性であり、
緩徐発症の病変の多くは脳腫瘍である。」
とあるのがこれでしょうか。
その後には色覚異常の話も出ていますし。
(どなたか詳しい先生がおられたら御教示下さい。)

視野検査といえば大がかりな装置と
精密な視野検査表が必要かと思われるのですが、
大先生の方法は驚くほどシンプルです。
オリジナルのボタンセットは白・赤・緑の3色で、
大小2枚ずつ合計6枚です。
(大きさの違う目標を使う診察法は
「ベッドサイド診断」p293「にせの視覚障害」にありますね。)

オリジナルの写真出てきたのでのせます。

私自身は赤・緑ときたので
「これは色盲の検査にも使うんだな」
と思い、さらに黄色や黒も追加して
深度覚測定装置と同じく豪華版にしましたが(笑)、
悲しいことに精神科の臨床では
数年間まったく使う機会がありません(泣)。

こうしてヤブはヤブのまま白髪だけが増えていくのでしょうか・・・。

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