病院の中庭です。春には一面タンポポの花が咲きます。当医局が「お花畑」状態という意味ではありません。念のため。

2012年4月29日日曜日

ウィリス先生のフレンツェル眼鏡

ブログ管理担当のまさぞうです。

今年1月のウィリス先生ご逝去の後、
久しぶりに「Dr.ウィリスベッドサイド診断」の
マニアック情報をお届けします。











皆さんこれが何かお分かりでしょうか?
これはフレンツェル眼鏡(Frenzel lenses)といいまして、
普通の成人用のメガネフレームに
+20ジオプトリーのレンズを入れたものです。

これを患者さんにかけさせると、
外から見たとき患者さんの目が強拡大されて見えるので
対光反応などが確認しやすくなり、












(モデルが見苦しくてすみません。)
さらにかけた本人からは外界に焦点が合わないために、
固視が除去されて眼振が分かりやすくなる、
という代物です。
(詳しくはベッドサイド診断「21章:内耳神経」をご参照ください。)

ウィリス先生がお使いになっていた現物は
「沖縄中部病院に置いてきた」
というお話でしたけれども、
現在のところ行方不明で、
写真の眼鏡は私が作らせたものです。

診断学の教科書などには
ライトのついた立派な機械がのっていますが、
こういう原始的な道具でもちゃんと役に立つのですね。

十勝にもようやく春がやってきて、
病院の中庭にエゾリスの姿が目立つようになりました。








(写真中央に小さく写っているはずです。)
どうも去年の秋に埋めた木の実を探しているようです。
大先生亡き後も、何事もなかったかのように
季節が巡っていくのをみると、多少の感慨を覚えます。

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